市長答弁(2回目)
初めに、梅樹の再植栽の状況および防除対策の評価についてであります。強化対策地区内の再植栽の状況につきましては、平成28年度に農地や梅の公園などに2,713本の再植栽を行って以降、毎年、再植栽を行ってきており、今年度までの合計は、5,418本で、そのうち、現在把握している枯損数は、571本となっております。植栽場所の内訳では、農地に、3,708本、そのうち枯損数は489本、梅の公園に1,312本、枯損が70本、オープンガーデンに186本、枯損が8本、神代橋通り等に街路樹として、81本、第五小学校と西中学校に合計28本などであります。平成27年度から実施している強化対策の取り組みには、地域の方々のご理解、ご協力をいただき、強化対策地区の感染樹が大きく減少するとともに、強化対策地区全域に再植栽を拡大することが出来ております。強化対策を中心とした、着実な防除対策の取り組みには大きな効果があったものと、私自身、大いに評価しているところであります。次に、国の判断・対策の受け止めおよび検査制度についてであります。植物防疫法に基づく緊急防除が実施され、10年余の歳月が経っております。これまでに、市内全域で約4万本もの梅の木などが伐採され、梅の生産や、梅に関する観光・商業事業において、経済的被害は非常に大きいものであると認識しております。 こうした中、国は令和元年度から、科学的知見を収集するとともに、今後の対策を検討するため、これまでの対策を大きく見直しました。市では、国に対し、法に基づく対策の継続や具体的な知見の分析等について、強く要請してまいりました。これに対して国では、知見の詳細な分析、専門家からの意見聴取を行い、今回の結論に至ったと捉えております。昨年12月に開催された国の検討会においても、再発防止がしっかり図られるよう意見を述べたところであります。新たに導入される苗木等の検査制度は、梅輪紋ウイルスに感染していない苗木等が流通することを目的として検査を実施するとのことであります。検査の概要についてでありますが、ウイルスの発生地域において、栽培されているサクラ節を除くサクラ属植物であって、移動する苗木を検査の対象とし、苗木等を移動させようとする場合、国の植物防疫所と都道府県において、検査を実施します。検査の結果、感染が確認されなければ、無発生園地として年度内の移動が可能となります。感染が確認された園地においては、国の植物防疫所と都道府県が、植物の全調査を実施します。園地内のすべての植物で3年間感染が確認されなくなるまで移動を自粛するよう指導するものとされており、詳細については、現在、調整中とのことであります。
私の質問(3回目)
ウメ輪紋ウイルスに対する、今後の市の対策について伺います。今年度末をもって、緊急防除を終了させるとの国の方針を受けて、市の対応策が固まりました。ここに、その資料があります。この対応策については、2月12日、18日に地元説明会を開催し、市民の皆様に説明する予定でしたが、新型コロナの影響で、回覧となったものです。対策は①事業の実施地区として、今まで緊急防除を実施してきた強化対策地区1・2・3の全域 ②内容は、(1)早期に感染植物を発見するため、強化対策地区1・2・3内の農地、梅の公園等の再植樹を対象に感染状況調査を年2回実施する。(2)アブラムシによるPPVの感染拡大を防止するため、強化対策1~3内の農地等の再植栽樹を対象として、アブラムシ防除を年2回実施する。庭木等、対象以外の梅樹を所有する人には、自主防除をお願いする。というものであります。再植樹された梅樹には感染は見られないものの、以前からある梅樹にはほんのわずかながら、引き続き感染が確認される中での実質全面解除であります。若干の不安の残るいわば見切り発車の中、市が実質的には緊急防除を継続する訳で私は大いに評価をいたします。そこで、この対策を確認した上次の点についてお聞きします。
(1)1月14日付けの梅の里再生情報には感染状況調査とアブラムシ防除に加え感染樹の伐採も入っています。伐採命令等を内容とする、国の緊急防除が終了する4月以降、感染樹が見つかった場合、伐採はどうするのか?伺います。
(2)4月以降、「ウメ輪紋ウイルス対策」は実質市が継続します。その予算はどうするのか?当然に国や都に要求すべきと考えますが?どうか。また、また、再生基金の活用についても伺います。
(3)事業の体制、地元との関係についてであります。感染の調査につては、地元の方々の協力を得て、実施してきました。また、アブラムシ防除の農薬散布は農地については、JAに委託し地元生産者が、公園・街路等については、民間業者に委託して実施してきましたが、この体制はそのまま維持するのか?伺います。
(4)庭木等を植栽予定の方への対応について伺います。植栽には感染未発生地区で栽培された苗木を使用するよう求めていますが、見分けを含め具体的にどう対応するのか?植栽後はウメ輪紋ウイルスに対する自主防除を求めていますが、周知勧奨はどのように行っていくのか伺います。
(5)多くの市民が望んでいた「市内全域でのウメ等の再植栽」が可能となります。しかしながら、梅の公園の状況、梅の実の生産等を考えれば、梅の里再生はまだまだ道半ばであります。かつての状況を取り戻すには、引き続き多くの市民の協力が欠かせないと思います。そこで最後に、一つの区切りを迎え、新たな再生への取り組みに挑戦する市長の決意を伺い、質問とします。
市長答弁(3回目)
初めに、感染樹が見つかった場合の伐採・廃棄についてであります。
所有者に感染樹の判定結果および伐採・廃棄により生じた損失は補償しないことを説明し、伐採の承諾がいただけましたら、伐採・廃棄は市において実施いたします。つぎに、梅輪紋ウイルス対策の予算および梅の再生基金の活用についてであります。財源につきましては、国の「消費・安全対策交付金」及び東京都からの補助金の活用も
図れるよう協議しております。梅の里再生基金につきましては、梅の公園等の施設整備だけだけでなく防除事業にも活用していきたいと考えております。なお、事業実施期間は概ね3年と考えております。
次に、感染状況調査およびアブラムシ防除事業の体制についてであります。現在の体制を継続することを基本にしますが、令和3年度以降は再植栽樹に限定していることから、作業量に見合った体制を検討しているところであります。
次に、庭木等の植栽への対応および自主防除の周知等についてであります。苗木の検査制度は国において、現在、詳細を調整しているところであります。流通の際に、シールやタグ等を付けることは予定していないとのことでありますが、流通される苗木等については、安全性が確保されると考えております。自主防除の方法等につきましては、広報おうめ、回覧、防除のチラシ等で周知してまいります。アブラムシ防除を実施していれば梅輪紋ウイルスのまん延防止は可能とされていることから、必要性を理解していただき、アブラムシ防除を効果的に実施していただけるよう、機会を捉えて周知、勧奨してまいります。次に、梅の里再生への決意についてであります。梅の里再生・復興事業がここまで成果を上げて来られましたのも、行政だけでなく、市民、農業者、観光・商業事業者、関係団体等が一丸となって取り組んできた結果と深く感謝しております。平成21年度から実施された国の緊急防除対策事業は、この3月末で終了し、4月からは、念願でありました市内全域での梅などの再植栽が可能となる見込みです。梅の里再生に向けて、農業に関しては、梅の再植栽をされた農家に対する支援、他業者と連携した高付加価値梅製品の開発促進等、様々な施策を展開し、梅生産に携わる農家の希望と意欲の向上につながる支援を行ってまいります。また、観光・商業に関しては、多くの方々に訪れていただける名所を目指し、梅の里の魅力を様々な媒体を利用して、広く情報発信してまいります。施政方針でも述べたように、市民とともに、梅の公園をはじめとする数々の名所に魅力を加え、訪れる方々を楽しませるだけでなく、市民が一丸となれるシンボルとして、希望と勇気を与え続けられるよう、力みなぎる梅の若木を大切に育み、さらなる梅の里の再生・復興に取り組まいります。
最初の質問事項へ・・・詳細はこちら
〒198-0063
東京都青梅市梅郷6-1511
TEL 0428-76-0358