(1回目の質問)
(1)まず、緊急防除対策のこれまでの取り組みについて、伺います。
(2)梅の再生計画における「再生・復興プログラム」の取り組み状況とその検証、評価について伺います。
市長答弁(1回目)
ウメ輪紋ウイルス対策と梅の里再生について、お答えいたします。
まず、緊急防除対策のこれまでの取り組みについてであります。平成21年4月に当市において、全国で初めてのウメ輪紋ウイルスが発見され、平成22年2月以降、植物防疫法に基づく国の緊急防除対策が行われてきました。これまでに、市内全域で約4万本もの梅の木などが伐採され、梅の生産や、梅に関する観光・産業において甚大な被害を受けました。平成27年度からは青梅市が主体となって、強化対策地区内の防除に取り組み、区域内の対象植物の感染調査や感染樹の伐採、アブラムシの防除を実施しております。この取り組みにあたっては、市職員の全庁的な体制とともに、地元住民や関係団体の方々の多大な協力を得て実施してきました。その結果、強化対策地区内の感染植物数は、平成27年度の253本から、年々減少し、平成29年度には、17本、今年度は5本まで減少させることができました。また、これらの取り組みが評価を受け、平成28年度には、強化対策地区1,平成30年度には、強化対策地区2,令和元年度からは、強化対策地区3への梅樹の再植栽が認められ、強化対策地区全域に再植栽を拡大することができております。次に、「再生・復興プログラム」の取り組み状況とその検証・評価についてであります。平成25年3月に策定された「梅の里再生計画」では、平成28年度から今年度までの5年間を「再生・復興プログラム」の期間と位置づけ、梅の里再生に向けた課題と対策の方向性を示しております。今年度が最終年度でありますので、「再生・復興プログラム」の、平成28年度から今年度までの5年間の取り組み状況を、各分野別に検証しております。 主な事例をあげますと、農業分野では、梅農家支援のための援農ボランティア講座を開催し、援農ボランティア制度を確立しております。また、梅の早期成園化を目指し、東京都と連携して、ジョイント栽培の導入を図っております。観光・商業分野では、梅の公園への1,200本、140種を超える梅の再植栽とともに、利用者の安全確保のため、園路の改修を行っております。また、中道梅園の障がい者用駐車場の整備、トイレの洋式化などを行っております。総合分野では、フェイスブックによる梅祭りの情報発信や、梅の開花情報などの情報提供、梅祭りのPR動画の放映などを行っております。梅の生産量が少ない中、今後の課題となる事業もありますが、「再生・復興プログラム」の施策に対し、農地や梅の公園への梅樹の再植栽など、全体的には概ね実行できているものと捉え、順調に事業の進捗が図られているものと認識しております。「梅の里再生計画」につきましては、「梅の里再生計画推進委員会」において、計画の取り扱いについて御議論いただき、終了することが決定されましたが、各種事業につきましては、令和3年度以降も各担当部署が連携して、取り組みを継続してまいります。
私の質問(2回目)
「ウメ輪紋ウイルス対策と梅の里再生について」2回目の質問をします。
(1)梅樹の再植樹の状況について、直近の状況について伺います。農地・公園・街路等、植栽後に枯れた物を含め、具体的にお示しください。また、防除対策を市としては、どのように評価しているかお聞かせください。
(2)国のこの問題に対する考え方と今後のウメ輪紋ウイルス対策について伺います。昨年12月に開催された国の検討会では、令和3年度以降の対応について、次のように方針を示しています。ウメ輪紋ウイルスについてPPVとしておりますので、そのまま読み上げげます。 「発生当初、PPVによりウメ、モモ等に甚大な被害が発生するリスクがあったことから、感染植物等の伐採等の強力な防除対策を実施してきた。これまでの緊急防除の実績や昨年の試行的な防除対策の見直し後に得られた知見等から、地域住民、生産者、関係自治体の方々の協力の下、緊急防除を行ってきた結果として発生地域内の感染割合が大幅に低下した現在の状況においては、通常のアブラムシ防除を実施していれば、PPVのまん延防止は可能と判断される。また、ウメ、モモ等の果実等に経済的被害を及ぼす可能性は低いという傾向が示された。このことを踏まえると、地域住民や生産者の方々に対する感染植物の伐採命令等を内容とする緊急防除について、期間(令和3年3月31日まで)の延長を行う必要はないと判断される。ただし、セイヨウスモモ、アンズ等については、ウメよりは感染リスクが低いものの、海外の文献では被害が発生するとされている。このことから、現在実施中の被害の大きさ等に関する植物防疫所による調査研究が終了するまでの間(3年間を目途)、未発生地域へのPPVの侵入防止に万全を期すため、発生が確認されている地域において、サクラ属側物の苗木等のPPVへの感染の有無を確認するための検査制度を新たに導入し、検査を実施するとともに、未発生地域において、発生状況の監視に努めるとする。」とされました。この国の判断の中でどうしても1点疑問に思う点があります。それは「ウメ、モモ等に経済的被害を及ぼす可能性は低い」と判断している点であります。地元では大変な経済的被害を受けた訳で、私事ですが、かつて3トンあった我が家の梅の収穫量が1トンを切り、著しく梅の実も劣化したことから、これではダメだと判断し、私は地域の中で、いち早く伐採に応じ、早期の再植栽を目指して来ました。大変な経済的被害をもたらすウイルスだと強く認識しております。質問です。率直に言って、市としてはこの国の判断・施策をどのように受け止めたのか伺います。また、「PPVへの感染の有無を確認するための検査制度を新たに導入し」とありますが、どのような検査制度なのかお示しください。
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