市長答弁(2回目)
戦没者追悼式の会場についてであります。
ネッツたまぐーセンターが開館した令和元年度の実施につきましては、改めて遺族会と協議しました。多くの方が参列されることを考慮すると、ネッツたまぐーセンターで実施した場合、駐車場や受付場所の確保、閉式後の動線などに課題があることが判明しました。このため、駐車場確保とともに効率的な運営が行われるという観点から、総合的に判断した上で、市役所2階の会議室において執り行うこととしました。会場につきましては、今後、ネッツたまぐーセンターの実施を含め、遺族会の意見を伺いながら検討してまいります。次に遺族会の取組みと支援についてであります。遺族会では、定例的に役員会を開催する他、8月15日の「終戦記念日」と11月の「青梅市産業観光まつり」に合わせて、永山公園内の忠霊塔を一般公開しております。このことは、忠霊塔の存在を広く知っていただき、改めて平和を考える機会にしていただくために実施しているものであり、この取組に市職員も出向いております。
次に、戦没者追悼式の参列者増と若い世代に向けた取組についてであります。
戦没者追悼式の実施にあたり、市では、「広報おうめ」、ホームページへの掲載および「行政情報メール」にて周知するほか、平成29年度からは、若い世代に向けに「公式ツイッター」による情報発信を行っております。今後「公式ツイッター」の内容を工夫するなど、参列者が増えるよう取り組んでまいります。こうした中、遺族会の会員には、手作りの紙芝居で、戦争の実像を語る活動をされている方や戦争の悲惨さを伝える絵画集を郷土博物館に寄贈された方がおります。また、戦争の記録映画の上映会を行った支部もあり、戦争の記憶を風化させることなく、平和の尊さや命の大切さを多くの方に伝えるための取組がなされております。現在、一般の方の参列が少ない状況が続いておりますが、市では、このような活動を広く周知することで、戦没者追悼式への参列者増につなげられるよう、遺族会と連携してまいります。
次に、地区遺族会の実施状況等についてであります。
現在、旧青梅町、調布村、霞村、吉野村、三田村、小曽木村および成木村の7地区の支部単位、遺族会、地区奉賛会および自治会連合会支会などの主催により、毎年3月に、市民センター等に於いて実施されております。
参列者の推移でありますが、小曽木地区においては、ここ3年ほど、若干増加傾向にあるものの、その他6つの支部に於いては、いずれも減少傾向にあると聞いております。
次に、地区慰霊祭への支援についてであります。
現在、慰霊祭にかかる事業費補助として、支部に対し、総額65万円余の補助金を交付しております。また、実施にあたっては、「広報おうめ」および市のホームページにより周知しており、私自らも参列し、哀悼の意を捧げております。今後も支部に対する補助を継続するとともに、さらなる周知について、遺族会と協議してまいります。
私の質問(3回目)
この項目、3回目の質問となります。
若い人達に参加してもらうためには、家庭や教育現場で戦争・戦没者について教え・伝えて行くことがなによりも重要と考えます。教育、学校現場で戦争・戦没者のことがとり上げられ、教えられる事が、戦没者追悼式等が継続・充実させる大きな要素になるのではないかと思っています。先ほどふれました、私の地元梅郷地区の忠霊塔は、第5小学校の隣接地にあります。私の子供の頃には、ちょっとした遊び場にもなっていたため、私などは、戦没者に対する認識をごく自然な形で体得した気がします。また、小学校では、低学年の頃、クラス単位で先生に引率されて、忠霊塔を訪れ、先生から説明を受けた記憶があります。勿論、先生の話の内容は覚えてはいませんが、戦争で亡くなられた人のための施設だと教えられた記憶は残っています。4年生の孫に聞きましたが、今までクラスで引率されて、訪れるたことはないとのことでした。現状平和な日本に於いて、先の戦争そしてその犠牲者たる戦没者について教え・伝えて行くことは大変重要ではありますが、難しいことでもあります。それ故、自然な形で子ども達に教えて行くことが大事なのではないかとも考えます。教え方には二通りあるのではないかと思います。一つには市内にある施設として、もう一つは歴史の教育の中で取り上げることと考えられますが、
質問です。
(1)小学校3年生になると、社会科で「わたしたちの青梅市」という教材を使い、市内の様々な施設や身の回りのことを学ぶ事になりますが、この中で忠霊塔の存在などを教えることはないのか?伺います。また、この後を含め、忠霊塔を地域の施設として教えることはないのか?伺います。
(2)次に、歴史教育は大変微妙な問題を含んでおりますが、小学校高学年・中学校で歴史を学ぶ際、先の大戦を含む戦争についてはどのように教えられているのか?伺います。
(3)未来を切り開く子ども達、若者達に平和の尊さ・大切さを教えて行くことは大変重要な事であります。そしてその平和は、先人達の大きな犠牲の上に立っている事も教えなければなりません。戦没者は言わば、平和の礎となった方々であります。この平和を維持し恒久平和を願うにも、その戦争によって犠牲となった戦没者について、教え・伝え、そして慰霊・追悼することを取り上げて行くことは極めて重要な事と考えます。戦争で犠牲となった方々を祀る施設である忠霊塔の存在・歴史、そして、戦争の犠牲者に思いをはせ、恒久平和を誓う戦没者追悼式を、教育現場ではどのように取り上げているのか、教えて行くのかをお示し下さい
教育長答弁(答弁3回目)
小学校3年生の社会科授業における、戦没者をまつる忠霊塔などの指導についてです。3年生で学ぶ社会科は、自分たちの住んでいる地域や、市町村の地理的環境、地域の安全を守る活動、地域の様子の移り変わり等、自たちの身近な地域について学びます。このことから、自分たちの住む地域の中に、過去の戦争における戦没者をまつった、忠霊塔の存在について指導することは、考えられます。しかしながら、3年生の社会科の授業時数は、年間70時間、週に2時間しかない中で、指導すべき事項は多くあり、実際に忠霊塔などの碑の学習の有無について、学校に調査したところ、小学校3年生で指導した学校はありませんでした。一方、第一小学校の特別支援学級では、生活単元学習の一環として、地域への散策の際に、忠霊塔の存在について指導したり、第四小学校の6年生では、総合的な学習の時間の中で、実際に忠霊塔を訪問し、その存在につて調べたりする活動を行っているという例もあります。また、中学校では、身近な地域の歴史について調べる学習の機会があることから、今後は、忠霊塔などの戦没者をまつる市内の複数の碑の存在についての情報を学校に伝え、教材として扱えることを周知してまいります。
次に、小・中学校における戦争の指導についてであります。
過去の戦争について学習する際は、学習指導要領に基づき、児童・生徒の発達段階に応じて指導して行くことが大切です。小学校では、日中戦争や我が国に関わる第二次世界大戦について学び、戦後、我が国は民主的な国家として出発し、国民生活が向上するとともに、国際社会の中で役割を果たしてきたことを理解することが目的となります。中学校では、軍部の台頭から戦争までの経過と、大戦が人類ぜんたいに惨禍を及ぼしたことを理解するとともに、これらのことから国際協調と国際平和の実現に努めることが、大切であると気づくことが目的となります。小学校・中学校ともに、戦争がもたらした大きな被害だけに着目するだけではなく、戦後、我が国が平和な社会を築いていったことを学ぶことが重要です。このような中で、実際に戦争や原爆体験をした方から、戦争中の様子を伺うなど、実体験に基づく授業は重要であります。本年度においては、小学校3校、中学校1校で授業が行われました。今後このような実体験に基づく授業が、より多くの小・中学校で実施されるよう、働きかけていきたいと考えております。
次に、教育の現場における、戦没者追悼式の取り上げ方についてであります。
過去の対戦で亡くなった方をまつる戦没者追悼式を教材として扱う場合、小学校、中学校で行われる歴史的分野や公民的分野の学習が考えられます。歴史的分野の学習では、戦没者追悼の意義を引き継ぐために、市内に於いて戦没者追悼式が行われていることを知る事、また、公民的分野の学習では、戦争を放棄し、日本の平和主義のことを学ぶことのきっかけとして、戦没者追悼式を取り上げること、などが考えられます。
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