***平成30年6月議会一般質問***
「高齢者クラブの課題と活性化について」
(私の質問)、(1回目)
1、通告に従い、大きく2項目について質問いたします。初めに、「高齢者クラブの課題と活性化」についてであります。
高齢者クラブ、これは、単位クラブ、地域連合会、青梅市連合会からなりますが、同クラブは長寿社会に於ける会員相互の交流を基に、社会活動への積極的な参加や健康維持増進に向けた取り組みを通じ、豊かで生き甲斐のある福祉社会の更なる向上を目指し、各種事業活動を展開し「地域社会への貢献」に努めています。高齢者クラブは、益々進む高齢化社会にあって、今後最も重視しなければならないとされる「健康寿命を伸ばす」ための様々な取組み・活動を行っています。結果として、青梅市民の「健康寿命」の増進の大きな要素の一つとなっていると考えられます。また、介護保険の分野に於いて、青梅市は低い介護認定率と低い基準保険料とを維持していますが、これには、高齢者クラブの存在・活動も大きく貢献していると考えられます。即ち、本市に於ける、介護認定率(出現率)は29年度末15.2%、30年度予算(見込み)でも15.6%で全国平均に比し3ポイントほど低く保たれています。この要因もあり、本市の介護保険料の平成30年度(30年度〜32年度)の基準額は前年度比200円のアップはあるものの、月額5,000円と、都内26市の下から3番目に抑えられています。このような、介護保険をめぐる好環境を作り出している要因の一つが、高齢者クラブの存在・活動であると認識しています。因みに、都内市区町村で介護保険料の基準月額が最も安いのは4800円の羽村市とのことですが、4月24日の日本経済新聞の記事で、次のように紹介されています。・・4800円と23区、多摩で最も安い羽村市は町内会の施設を活用した健康体操などが充実しているのが特徴。「健康づくりや趣味・教養の活動をする団体「「高齢者クラブ」」の加入率は都内の区市で最も高く、活動的な高齢者が多い」(高齢介護課)という。また、記事では23区で2番目に保険料が安い江戸川区(5400円)では高齢者クラブでの社交ダンスを取り入れたリズム運動など介護予防に力を入れていることが、保険料を安く抑える要因の一つと紹介しています。このように、他の自治体の例からも明らかなように、益々進む高齢化社会にあって、介護給付を始めとする増大する社会福祉予算の伸びを少しでも抑えるとの観点から、高齢者クラブの果たす役割の重要性が益々大きくなっていると考えられます。そのような中、各単位クラブ及び青梅市高齢者クラブ連合会(以下、市高連と言います)の大きな課題が、「会員の減少」という問題であると聞いています。東京都老人クラブ連合会、および市高連では、会員増加クラブへの表彰も行っているとのことですが、増加する高齢者人口とは逆に、会員の減少が続いています。各クラブでは、役員さん等が必死に「新会員加入勧奨」を行っていますが、減少傾向は止まらないとのことであります。因みに、市高連の資料よりますと、平成8年度58クラブ9,464人であった会員が平成30年度では、54クラブ5,980人と3,484人の減少となっており、特に直近3か年では611人も減少しています。市高連では、会長の諮問機関として「検討委員会」を設け、1年間に亘りこの会員減少の問題を協議しましたが、「会員減」には様々な要因があり、また各単位クラブそれぞれの事情もあり、具体策を答申するには至らなかったと聞いております。
そこで、1回目の質問です。
(1)今後益々進む高齢化社会にあって、求められる健康寿命の増進・介護予防等の課題に対し、青梅市として、高齢者クラブをどう位置づけておられるのか?同クラブの果たす役割をどう捉えているのか?お示し下さい。
(2)高齢者人口が増加する中にあって、高齢者クラブへの参加者が減少している要因を市としてどう捉えているか?お示しください。
(市長答弁)、(1回目)
高齢者クラブの課題と活性化についてお答えいたします。はじめに、高齢者クラブの位置づけや役割についてであります。高齢者クラブの活動は、多岐にわたっておりますが、市では、地域の高齢者が、レクリエーションやスポーツを楽しむことで、仲間作りや、生き甲斐作りに繋がっていると捉えております。こうした活動が、高齢者の健康増進や介護予防を推進しており、また、仲間同士で活動することで、高齢者の在宅での閉じこもりを防ぎ、結果、地域の見守りに寄与していると認識しております。こうしたことから、市では、「第7期青梅市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」において、「高齢者クラブについては、継続して支援していく」、と位置付けたところであります。また、毎年「高齢者クラブ健康づくりモデル事業」を、実施し、会員の健康づくりと活動の支援を行っております。今後さらに高齢者数が増加する中で、豊かな地域社会づくりに、不可欠な存在として、高齢者クラブの役割はますます重要になると認識しております。次に、高齢者クラブの参加者に新規会員が減少している要因についてであります。クラブの参加者が減少している要因は、複数あると捉えております。働く高齢者が増えたことや、価値観の多様化などにより、クラブの活動内容に魅力を感じなくなっていることなどが考えられます。また、新規会員が増えない理由の一つには、自治会加入者の減少と共通の理由があるとも伺っております。自治会に加入していない高齢者の中には、地縁団体への加入を望まないことや、役員等を務めたくないことから加入しないという声もあるとのことです。また、役員をお願いすると退会してしまうというケースがあるとも伺っております。市ではこれまで、広報おうめ等による高齢者クラブ新規会員募集の案内を定期的に掲載し、高齢者クラブの連絡先等の周知に努めてまいりました。また、より多くの市民に高齢者クラブの活動を知っていただくため、昨年度は、男女平等情報誌である「よつばの手紙」に特集記事を掲載いたしました。このほかにも、機会を捉えて活動状況の紹介などを実施してきたところであります。
(私の質問)、(2回目)
「高齢者クラブの課題と活性化につて」の2回目の質問をいたします。
2、会員減少の要因の一つに、高齢者クラブの事務の複雑さがあります。役員特に補助金の絡む会計の引き受け手がなく、クラブが立ち行かないという問題。この問題は以前から議会でも指摘されていますが、今年度この問題で3クラブが休部となり、結果389人の会員減となったと聞き及びます。
高齢者クラブに対する補助金は、国・東京都・青梅市が各3分の一ずつ補助するもの、東京都と青梅市が按分補助するもの、青梅市単独で補助するものと3種類あり、それぞれが補助対象となる活動を限定列挙してあります。各クラブは日頃の活動を①社会奉仕活動、②生きがいを高める活動、③健康を進める活動、④その他の社会活動と仕訳し、該当する補助金を充当させていく事になります。
国からの補助金が一部入っていることから、補助金の使い途に関しては会計検査院の対象にもなる訳で、極めて厳格な事務処理が求められます。領収書の管理等は当然ですが、購入物品費・飲食費等細かな仕訳が求められます。また、補助金は月単位となっているため、毎月の活動が求められ、それに伴う事務処理が生じる訳で、役員とりわけ会計担当となると、かなりの負担になります。会計担当者の選任に苦心する点をより具体的に列挙しますと、
①金銭管理・帳簿の作成・補助金申請のための書類作成の多さが挙げられます。活動の多いクラブは、年間100回以上の活動があり、私の経験からは自治会活動より頻繁に行われている実態があります。
②補助金申請時の提出書類の多さ、複雑さに戸惑いがあると聞きます。
③書類・帳簿などの作成には、パソコンの使用が必須ですが、高齢化しているクラブでは、適任者を見つけるのに苦労するとのことであります。
2回目の質問です。
(1)ただ今述べました、高齢者クラブの事務の複雑さ、会計さん等役員への負担、結果としての会員減少。このような状況を市はどう認識しておられますか?
(2)補助金の構成を具体的に示して頂きたい。補助金には①国・都・市分、②都・市分、③市の単独分とありますが、月額・年額 等具体的にお示しください。
(3)補助金申請時の書類の多さ、複雑さの改善を求める声がありますが、具体的にどのような書類なのか示されたい。その上で、以前から申請書の簡略化を求める声があり、議会でも議論されております。平成28年3月議会、予算委員会での鴻井議員の質疑に対し、東京都に申請書の簡略化について要望しているとの答弁がありますが、具体な回答なり成果はあったのか?お伺いします。
(4)申請書類と限らず、事務を簡略化するあるいは軽減するという点で、市として考えていることはないのか?お答えください。
(市長答弁)、(2回目)
まず、会計事務の複雑さについてであります。ご指摘のとおり、高齢者クラブの事務のうち、特に会計事務については、補助金の関係で事務が複雑になっており、このことが役員の引き受けを断られる理由の一つとされていることは承知しております。こうした意見を従来から頂いていることを受け、市では補助金説明会を毎年実施しております。また、説明の際には、書類作成の手引き書等を作成し、併せて、詳しく内容説明を行っております。なお、この手引書については、毎年内容を検討し、より分かりやすいものとなるよう努めるとともに、各クラブから会計を含む各種書類の作成についての相談に、随時、個別に応じているところであります。次に、補助金の構成についてであります。各クラブには、市の補助金交付要綱に基づき、月額24,300円を、この他年額として、会員一人当たり500円を交付しております。この補助金の、国と都と市の負担の構成ですが、まず国と都の補助金として、活動した月に応じて月額2,400円、都のみの補助金として、1年間活動をするクラブに年額160,000円が交付されます。これに市の補助金を上乗せしています。結果として、国と都から年額28,000円、都のみから年額160,000円となっております。これに、市から、年額102,800円と会員数に応じた年額分が各クラブへの補助金となります。なお、連合会へは、別の積算となっております。次に、補助金にかかる書類の内容及び東京都への要望結果についてであります。関係書類については、補助金申請書の添付書類として「年間事業計画書」、「収入支出予算書」、「役員届」、「会員名簿及び会則」があります。また、補助金実績報告書については、「活動状況報告書」、「収入支出決算書」、「会計簿として現金出納簿の写し」となっております。申請書等の簡略化について、都へ要望している内容についてであります。東京都市長会を通じて、「老人クラブ運営費補助金の報告書の様式を、高齢者にわかりやすい様式に変更し、報告項目の簡略化を図ること」を要望しておりますが、例年、都からは、「適正な予算執行のため制度上必要な手続きである」との回答であり、簡略化等について、現時点では進展しておりません。次に、事務の簡略化や軽減についてであります。まず、事務の簡略化については、申請書に添付する個々の様式について、より分かりやすいマニュアルの整備や、会計処理を行う際に参考となる例示などを増やし、会計事務の簡素化を図ることにより、負担軽減につながるよう工夫してまいります。また、書類の作成等に関しまして、担当者に相談していただければ、引き続き丁寧に対応してまいります。なお、都の要綱において、補助金を受ける老人クラブの条件として、備えつけるべき書類が規定されております。内容は「会員名簿」「現金出納簿で、かつ証票簿をべつに作成」「活動日誌」「予算書および決算書」「備品台長」となっております。適正な予算執行のため必要な手続きであるとする、これまでの都の回答からは、こうした備え付けるべき書類の削減については難しい状況と認識しておりますが、事務負担の軽減に向け、引き続き、東京都市長会を通じて粘り強く要望してまいります。
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