◆(質問・2回目)
長野県は長寿の県として、知られています。また、佐久地域は地域医療の先進地域としても有名であります。この記事の中で佐久市は、がん死亡率が低くかつ医療費も低い理想的な自治体として取り上げられています。佐久市のがん死亡率は、男性は83.6、女性は84で、本市と比較し男性で8.6ポイント、女性で5,2ポイントも低くなっています。私は佐久市のホームページを検索してみましたところ、大変興味深い内容でした。「健康・福祉・子育て」の分野をクリックしますと、健康長寿のプロモーション映像を作成しましたとあります。ビデオは2本あり、1本は地元出身の落語家による5分間の短編小噺。笑を誘いながらも、地域医療の取り組みを紹介し、予防は治療に勝ると健康意識の向上を促しています。もう1本は20分の長編で、「健康長寿都市・佐久」とタイトルが付けられ、佐久地域の保健・医療に関する事業・取り組みを歴史を踏まえて構成しており、佐久地域が地域医療の先進地域と評されるようになった理由がよく分かります。是非市長にも一度見て頂きたいと思います。
私がこのビデオを見て感心したのは、この地域では厚生連佐久総合病院・国保浅間総合病院という地域医療の拠点病院と看護・助産を専門とする佐久大学が中核となって、産・官・学・医の連携と、さらに地域住民と連携した健康都市作りが実現していることであります。我々が2025年を目途に構築する地域包括ケアシステムの原型が出来上がっています。この地域は古くから、病院からの巡回医療の歴史があり、その伝統が、総合病院から出張するという訪問医療の確立につながっています。またこの地域では若いころから検診の受診率が高いとのことです。そして、これががん死亡率の低い要因の1つと考えますが、これには佐久大学の存在が大きいとしています。
さて、以上のほか健康長寿都市・佐久を実現するため、行政も様々な取組みをしています。その中で気が付いた事を以下に列挙します。すでに本市でも同様の取組みを実施しているものもあると承知しておりますが、健康増進に向け参考になるべきものも多々あると思いますので、紹介しつつ質問いたします。
●佐久市では生まれる前から高齢になるまで切れ目のない保健サービスを提供しています。乳幼児期の愛着形成が成人期の人格形成に大きく影響するとして、生まれる前から、保健師・助産師らによるパパ・ママ教室を開催し、乳幼児への愛着形成の指導を行います。また、妊娠・出産・育児の正しい知識の指導に加え、父親の育児体験を促すため、抱っこのしかた・おしめの当て方等父親への育児指導にも力を入れています。まず、最初の質問ですが、本市でも佐久市同様の両親学級があると聞いておりますが、ここでの取り組みの具体的内容、また父親の参加状況等についてお答えください。
●佐久市では市民の口の健康を守るとして、歯科医療事業に力を入れています。特に1歳半から3歳までが虫歯にかかりやすい事に着目し、2歳児ハッピー教室を毎月開催し、保護者と2歳児に仕上げ歯磨き等の指導を行っています。本市でも乳幼児の歯科検診等は行っているところでありますが、乳幼児の歯科指導はどうなっているのかご答弁ください。
●ピンコロ運動。これは、所謂ピンピンコロリの事ですが、佐久市では健康のまま天寿を全うする事を目標に、食と運動の両面に力を注いでいます。食の面では地元食材を使い、適正カロリー・適正塩分の健康食・ピンコロ食を小中学校の給食に提供する他、調理実習を行い普及に努めています。また、親子食育教室を開催するなど、食育にも注力しているとのことです。そこで、本市に於ける食と健康への取り組み、また、本市での教育現場における食育について、お答えください。
●佐久市では減塩運動に力を入れています。パンフレットを作り啓発する他、味噌汁の塩分測定、適正塩分の味噌汁試飲会なども実施しています。これらの取り組みは比較的簡単に実施でき、健康増進効果の大きい取り組みであると思います。本市に於ける減塩食・減塩運動の取り組みについて、お答えください。
●佐久市では誰でもいつでもできるウオーキングを応援するとして、ウオーキングマップを全戸に配布しています。健康はまず歩くことからとも言われます。本市においても、ミニマップを作成するなどしているところでありますが、本市の具体的取組みの現状と、今後さらにどのように歩くことの大切さ周知していくかについて伺います。
●保健補導員。この方たちは市民の健康増進のためのボランティアで、検診を薦めるなどの役割を担っているそうです。お達者応援団、高齢者介護の支援・介護予防のサポーターをこのような形で組織しています。佐久市では健康増進施策にボランティアが大きな役割を担っているように感じます。健康増進のためのボランティアについて、本市はどのような見解を持ち、今後対応していこうとするのかご答弁願います。
●佐久市は精神医療事業にも力を入れています。心といのちの相談窓口として、自殺専用電話窓口を設け、心のホットラインとしています。私は昨年12月議会の一般質問で、橋梁からの飛び込み自殺防止施策を取り上げました。青梅警察署・JR東日本さんの協力により、自殺防止の看板は東青梅以西のJR各駅に既に設置されました。欄干のかさ上げについても、検討が可能となり、関係機関の連絡会も開催され、協議会へ向け動き出しています。私は質問の中で、自殺相談窓口の設置も提案しました。すぐには対応が難しいため、当面電話を受ける担当課が対応していくとの答弁でしたが、その後検討が進んでいるかをお聞きして、2回目の質問とします。
◆市長答弁 (2回目)
はじめに、両親学級についてであります。平成28年度には、5日間コースを年6回、4日間コースを年2回、延べ38日間の教室を行ったところであります。
内容は、産婦人科医師、助産師、保健師、歯科衛生士ならびに管理栄養士による妊娠・出産・産後に関する講義、および父親が育児に親しみやすいよう、赤ちゃんの人形を使った沐浴やおむつの当て方の実習などであります。教室全般における父親の参加は少ない状況ではありますが、実習については、父親でも参加しやすい土曜日に、設定したことから、約7割がご夫婦で参加しております。今後も、さらなる参加を呼び掛けてまいります。
次に、乳幼児の歯科指導についてであります。
「1歳6か月健康診査」時に、歯科医師による「歯科健康診査」を行うとともに、歯科衛生士による歯磨き指導を行っております。2歳児と2歳6か月児には、「歯科健康診査」と「歯科健康教室」を行い、むし歯の「予防処置」としてのフッ素イオンの導入、歯ブラシ指導、おやつ等についても指導しております。「3歳児健康診査」では、歯科医師による「歯科健康診査」を行い、前回の診査でむし歯のあったお子さんには、進行状況を確認し、適切な指導を行っております。さらに、歯が生え始める8か月から12か月までの、乳児及び永久歯が生え始める5歳児と就学時前の6歳児を対象とした、むし歯予防教室や市内保育園へ出向いての歯磨き指導も実施しております。
次に、食と健康についてであります。市では、食育への取組として、「市民食育講習会」、「親子食育講座」および「夏休みこども料理教室」を実施しております。また、野菜摂取の増加に向けた取り組みとして、リーフレットの通年配布や健康祭りにおいて、5歳児を対象としたむし歯予防教室の中で、野菜に関するクイズや地元農産物の食材を使用した加工品の販売を実施しております。
なお、市民からの要請を受け、食育に関する出前講座を平成28年度には3回実施しました。「教育現場における食育」についてですが、各学校では、給食や授業の中での食育指導のため、食に関する年間指導計画を策定し、一般の教員が食育リーダーとなり、食育に関して取り組むとともに、その成果について校内での情報共有を図っております。また、学校給食センターでは、栄養士の資格を持った、職員が学校を訪問し、チーム・ティーチングにより、食に関する授業を実施するとともに、地元産野菜や青梅産米を活用した地産地消についても理解が深められるよう努めております。今後も、児童・生徒が自らの健康を保持・増進していけるよう、教育委員会と連携しながら、食育の増進を図ってまいります。
次に、減塩運動についてであります。味噌汁の塩分測定や適正塩分味噌汁試飲会の取組としては、保険相談事業の一環として、「ヘルシーダイエット相談」を年6回実施しております。ご家庭の味噌汁を持参して頂き、塩分濃度を測定し、管理栄養士による栄養指導を行っております。次に、ウオーキングマップについてであります。平成19年度に、「おうめ ぷらっと ふらっとミニマップ」を作成しました。コースは全16コースで、教育委員会のホームページよりダウンロードすることができ、ウオーキングフェスタ等で周知に努めています。ウオーキングは市民の健康増進には欠くことのできない、最も重要な取組の一つであります。健康寿命の延伸に向け、市民自らウオーキングをしていただくことが、とても大切であると考えますので、引き続き、マップの利用促進に努めてまいります。
次に、健康増進のためのボランティアについてであります。ボランティアは、市が行う施策をサポートしていただく、重要な方々であります。青梅市の介護予防リーダーは、まさにその立場にあり、地域の高齢者の通いの場を立ち上げ、各地域で介護予防活動を行っていただいており、これまで73名の方が講座を修了し、5月末現在、18の自主グループが地域で介護予防活動を展開しております。今後も、介護予防リーダーの養成に努め、高齢者の介護予防活動の推進に取り組んでまいります。なお、長野県などの取組事例につきましては、参考にしてまいります。
次に、自殺相談窓口の取組についてであります。市では、自殺に関する相談を行っている、奥多摩町、日野市、西多摩保健所および「東京多摩いのちの電話」の担当者から、相談体制や必要とされる研修・専門知識、具体的な対応などについて情報収集を行っております。
市といたしましては、担当課である健康課職員が、必要な研修に参加するなど、ステップアップした対応を図りたいと考えておりますが、現時点におきましては、専門的な職員を配置することは難しいことから、当面は、専門機関の紹介等により対応してまいります。
◆(質問・3回目)
長野県は国内有数の長寿県として有名です。また、佐久地域は地域の医療機関が住民の疾病予防に先進的に取り組み、また保健補導員など地域の人々や行政が一体となって「自分の健康は自分でつくる」ための取り組みを進め、結果として「地域医療の先進地域」といわれるようになりました。正にその成果が今回の日経新聞の調査結果にも表れている訳です。本市の目指すべき方向の一つと思いますが、本市に於いても、ご答弁頂いたように多くは佐久市と同様の取り組みを行っています。個々の取り組みについて佐久市に遅れを取っているとは思いませんが、本市に於いてさらに健康増進を進めていくには、様々な施策を、総合的に推進していく必要があろうと考えます。健康寿命を延ばし・さらなる健康増進を図っていくためにどのようにして様々な施策を総合的に推進して行こうされるのか、市長の見解をお聞きします。
◆市長答弁(3回目)
今後の「健康寿命の延伸」、「健康増進の推進」についてであります。市では「豊かな自然に抱かれた、ふれあいと元気のある健康なまち青梅」を基本とした「第三次青梅市健康増進計画」を平成27年3月に策定いたしました。市民一人一人の健康づくりの指針となる本計画を基本に、市民の健康づくりを計画的に推進してまいりました。生活習慣病対策、がん予防やこころの健康づくりの取り組みは、市民の健康長寿の延伸及び健康増進に、一定の成果を上げてきたと認識しております。なお、この計画を着実に推進するため、関係職員で構成する「健康増進計画庁内連絡会議」を開催し、計画の推進、進行管理について確認するなど、関係部署が連携を図っております。今後も、この庁内連絡会議が、友好的かつ実効のあるものになるよう充実させてまいります。また、専門家を含めた外部委員で構成する「健康増進推進会議」とも密接に連絡・調整を行い、家庭・地域・事業者等との協働による健康づくりを進めていくとともに、「食育」の分野も含め、今後も、総合的に市民の健康寿命の延伸、健康増進に努めてまいります。
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