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梅の香る吉野梅郷再生のために!! Supporters' associatio

議会の活動報告Congress report

報告内容

2、青梅市におけるがん死亡率及び医療費の現状と、健康増進策について
(日本経済新聞の特集記事に関連して)
「1人当たりの医療費が高いのに、全国平均に比べてがん死亡数が多い市区町村が全体の3割に上ることが、日本経済新聞の調査で分かった」との書き出しで始まる、健康・医療の特集記事が5月21日の日経新聞に掲載されました。この記事は「がん死亡 同じ県内で格差」と大きく1面で取り上げ、4面のほぼ全てを使っての関連特集、5面での関連記事からなり、がん死亡率と医療費に市区町村で大きな格差が生じていることを明らかにした記事であります。大変興味深く読んだのと同時に、本市の医療・健康増進施策にも参考となる事柄が多々あることから、この記事を参考に質問させて頂きます。(新聞の現物はこれであります。)この記事をお読みになった方もおられると思いますが、恐縮ながら、記事の一部を紹介させていただきます。まず1面で、「日本経済新聞社は年齢調整をした死亡率(全国平均を100とする)と1人当たり医療費のデータを入手し、全国1741市区町村を初めて分析した」とし、「がんは日本人の死因のトップで2人に1人がかかるとされている。抗がん剤など高額の治療も増え、国の医療費に大きな影響を与えている。調査結果から浮かび上がるのは、医療費を多く使っている自治体が必ずしもがんの死亡率を抑えられていない現実だ」(中略)「東京都を分析すると、奥多摩町は男性のがん死亡率が全国平均を上回っている。特に胃、肝がんの死亡率が高い。医療費は高齢化の影響だけではなく、予防や治療などの対策に課題があり、全国平均を上回っている。
対照的に医療費と死亡率がともに全国平均を下回る自治体は428で、全体の24.6%だった。長野県佐久市など健康長寿で知られる自治体が目立った。
東京都でも杉並区はがんの死亡率が全国平均より2割以上低く、医療費も全国平均を下回っている。区の担当者は(区独自にがん対策5か年計画を策定し予防を中心に対策を強化している)と説明、さらに死亡率を下げる取り組みを推し進めている。」(後略)と書かれています。図らずも、隣接の奥多摩町と本市と様々に関係の深い杉並区が、対照的な取り上げ方をされているわけであります。そして、4面の関連特集では「がん死亡、私の街は・・・」いう見出しで、がん死亡率と医療費の高低を4分類のマトリックスで示しています。即ち、医療費が高いにも関わらず死亡率も高いグループ、代表例は札幌市で、費用対効果に課題と指摘されています。次に医療費は低いが、死亡率が高いグループ、代表例は会津若松市で医療体制の検証が必要との指摘です。3番目は死亡率は低いが医療費が高いグループで、代表例は熊本市。医療充実、費用見直しをと書かれています。そして、死亡率も医療費も低いグループ。代表例は長野県佐久市、健康長寿で費用低いと見出しが躍っています。なお、この記事の1人当たり医療費は、75歳以上の後期高齢者医療制度を運営する各都道府県の広域連合から日経新聞が独自に入手。厚労省が公表している75歳未満が加入する市町村国保のデータと、国勢調査の人口から2014年度分を推計したものとしています。この記事では、対象となる1741市区町村が全て検索できるようになっておりますので、すぐさま検索したところ、青梅市は死亡率・医療費ともに低いグループ、全体の24.6%に入る良好な状況にあり、ほっと胸をなでおろしたところであります。但し、気がかりな点もありますので、後程質問いたします。
そして、5面の関連記事では(前・後略)「75歳以上の人口割合が15.6%の長野県佐久市は医療費・死亡率ともに全国平均を下回っていたが、11,5%の札幌市はいずれも全国平均を上回るなど、高齢化だけではない格差も判明した。(ちなみに、青梅市は13.1%)食事や運動という一次予防のほか、がん検診などによる早期発見・早期治療の2次予防の取り組みが影響している可能性がある。」と論評しています。
以上が記事の概要です。ネット検索の結果分かった本市のデータは
・人口(2015年国勢調査)137,381人
・75歳以上人口割合13.1%
・1人当たり医療費、全国平均404,506円に対し、370,732円
・がん死亡率全国平均100に対し、全体として、男性92.3、女性89.2
 部位別内訳は、胃がん  男性99.1、 女90.8
        肺がん  男性87.5、 女性91.2
        大腸がん 男性103.5  女性92.9
        肝がん  男性72.9  女性98.2
と男性の大腸がんは全国平均を上まわっています。これは少し気になります。

では、この項目の1回目の質問をいたします。
●この記事は担当課にお渡ししましたので、市長もお読みになられたかもしれませんがが、このデータについて率直にどう感じられたか?まずお伺いします。
●本市のデータが死亡率・医療費ともに全国比を下回っているということは、青梅市立総合病院の存在が大きいと思います。加えて、これまでの施策が一応の成果を得ている結果と思います。1次予防に関しては、がんに対する正しい情報の提供、また、健康増進の観点からの梅っこ体操の導入なども、その施策の一つですが、普及活動についてはまだまだという感を持っています。1次予防の強化をどのように図ろうとしているのか?伺います。
●2次予防で重要なのが、がん検診であります。がん検診の受診率について、部位別にお答えください。合わせて26市及び近隣自治体との検診率の比較についてもお示しください。受診率を高める施策と検診で精密検査等、再度の検査が必要となった方へのフォローについてどう行っているか?についてお答え頂きたいと思います。
●男性の大腸がんが全国比で高いことの理由は何かありますか?この結果をどう捉えますか?大腸がんの検診はまずは検便で、比較的簡単にできる検査です。検診率をさらに高める施策についてお示しください。
●本市と友好関係にある杉並区が好事例として紹介されています。杉並区に学ぶべき点は多々あると思います。同区が独自に作成しているというがん対策5か年計画は承知していますか?それに学び、同様の計画を作成し、予防活動を強化することを検討して頂きたいが、如何でしょうか?ご答弁をお願います。 以上1回目の質問とします。

◆市長答弁 (1回目)
はじめに日本経済新聞の特集記事についてであります。この記事は新聞社が独自で算出した数値でありますが、青梅市を含む全国のデータが記載され、その比較が容易にできる事から、参考になるとともに、興味深い内容であります。なお、青梅市における、がんによる死亡率と一人当たりの医療費が全国平均を下回っていることは、これまでの「健康づくり」の取組や、各種保険事業などの一定の成果の表れと感じております。
次に、がんや生活習慣病の一次予防の強化策についてであります。がんは、生活習慣病とも関連が深いことから、「食事」と「運動」による生活習慣改善策の推進が大切であると認識しております。今後も、講座等の実施に務めてまいります。なお、高齢者の健康増進策については、介護予防の視点を中心に実施しております。市では地域における介護予防活動の推進のため、平成26年度から介護予防リーダー養成講座を実施しております。また、講座を修了したリーダーの方々には、ボランティアとして、自主的にグループを立ち上げて頂き、地域での介護予防運動の普及に尽力いただいているところであります。今後も一人でも多くの介護予防リーダーの養成に努め、市内全体に偏りなく活動が広がるよう、養成講座の充実等を図ってまいります。また、介護予防運動推進のきっかけとするため、平成27年度には青梅市オリジナルの介護予防体操として「梅っこ体操」を制作しました。なお、今年度、講習会等で利用いただけるよう、分かりやすいDVDも作成したところであります。引き続き、積極的な普及活動に務めてまいります。
次に、がん検診の受診率についてであります。平成27年度の青梅市における部位別の受診率は
「胃がん2.9%」、「肺がん2.9%」「大腸がん37.9%」、「乳がん21.1%」、「子宮頚がんが15.6%」であります。
26市との比較では、
「胃がんマイナス2.2ポイント」、「肺がんマイナス4.0ポイント」「大腸がんプラス13.9ポイント」、「乳がんプラス1.4ポイント」、「子宮頸がんマイナス2.3ポイント」であります。また、西多摩地区との比較では、「胃がんマイナス7.2ポイント」、「肺がんマイナス6.5ポイント」、「大腸がんプラス3.4ポイント」、「乳がんマイナス2.4ポイント」、「子宮頸がんマイナス4.4ポイント」となっております。受診率を高める施策としては、健康の大切さを伝えながら、広報おうめや市ホームページ、メール配信、個別勧奨はがき等による、丁寧で分かりやすい各種検診の周知に加え、健康まつりを始めとした各種イベントの際の広報活動が考えられます。平成28年度からは個別勧奨はがきの送付対象年齢を、20歳から70歳までの5歳刻みの年齢に拡大するとともに、今年度は、あらたに、市の公式ツイッターの活用やがん検診のポスターを作成し、医療機関や市民センターなどにも掲出を依頼しているところであります。再検査が必要となった方へのフォローについてであります。各がん検診において、一次検査で要精密判定を受けた受信者については二次検査、いわゆる精密検査への受診勧奨を個別に行っております。なお、受診勧奨を行ったものの、二次検査の受診が確認できない方については、電話や通知により受信状況の把握に努めております。
次に、市における男性の大腸がんについてであります。
男性の大腸がんの死亡率が全国平均よりも高いことの理由は不明でありますが、検診受診率の向上に努め、早期発見・早期治療が重要であると考えています。大腸がん検診の受診率を高める施策につきましては、市では、平成20年度から、特定健康診査と合わせて受診できるように改善いたしました。他のがん検診に比べ、便の検査により比較的簡単に検査ができることから、今後も周知に努め、受診率の向上を図ってまいります。
次に、杉並区の「がん対策5か年計画」についてであります。本計画は、がんを取り巻く現状、5つの取り組むべき課題について具体的に記載されております。なお策定に当たっては、専門家により構成された、杉並区がん対策推進協議会が設置され、協議が行われたとのことであります。市といたしましては、当面は、東京都が策定している「東京都がん対策推進計画」に沿った対応を継続してまいりたいと考えております。

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島ア 実後援会

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TEL 0428-76-0358